京都の異界を歩く

ちょっと変わった京都の探訪記です

化野への道を歩く(その1)~京都の葬送地~

かつて京の人々は、死者が出ると、周縁の山すそに死体を捨てていました。
そこは葬送地と呼ばれ、特に大規模だった3箇所は三大葬送地と呼ばれました。
清水寺のある"鳥辺野"と、船岡山の西側の"蓮台野"、嵯峨野の先の"化野"です。


今回はそのうち、「化野へ死体を葬送した道」を歩いてみたいと思います。
スタートは帷子ノ辻。そこから嵯峨野を通って、ゴールは化野念仏寺です!


帷子ノ辻からスタート!

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帷子ノ辻」交差点からスタートしましょう。

「かたびらのつじ」という名前は、檀林皇后の遺言にまつわる伝説から生まれました。

「自分が死んだら死体は埋葬せず、辻に捨ててほしい」

その遺言に従って、皇后の死体は辻に捨てられ、やがて腐り始め、カラスに食われ、白骨となって朽ち果てました。

人はその姿を見て世の無常を悟ったとのこと。何とも気味悪い話ですが、その舞台がここ「帷子ノ辻」でした。


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実際に死体が捨てられた場所は、「帷子ノ辻」交差点の東側踏切を渡った先にあるお地蔵様の所らしい。

葬送地すなわち死体を捨てる場所だった化野への出発地に相応しい伝説ですね。では歩き始めましょう。


嵐山電鉄を渡って古い道へ

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すぐに踏切を渡ります。正面は嵐山電鉄「帷子の辻」駅。



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すぐに古い道標が現れます。文政7年に建てられたものらしい。



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続いて宝樹寺。由緒は分かりませんが昔ながらのお寺のようです。



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宝樹寺(その2)。門前のお地蔵さんが良い感じでした。



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またまた古い道標。古い街道らしく、由緒ありげなものが次々と現れます。



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今度は石仏。由緒はよく分かりません。


油掛け地蔵

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油掛け地蔵に到着!油をかけてお参りするらしい。強烈なインパクトがあります。見た目も匂いも!



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油掛け地蔵(その2)。お地蔵さんは油で真っ黒!今まで色々なお地蔵さんを見てきましたが、こちらが一番凄まじい!必見です。



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油掛け地蔵(その3)。お地蔵さんの前には道標もありました。


有栖川を横に見て歩く

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しばらく有栖川を横に見て歩きます。それにしても流量が多い。山が近いからでしょうね。



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ついに「大覚寺門前」交差点に到着!立派な大覚寺の門柱が出迎えてくれます。



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愛宕大神の石柱もありました。


六道の辻

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大覚寺門前」交差点は「六道の辻」でもあります。立派な石柱が造られています。
六道の辻は、鳥辺野ルートでも蓮台野ルートでもありましたよね。



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六道の辻(その2)。ここには色々なものが散りばめられています。まずは "生の六道延命地蔵"。



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六道の辻(その3)。続いて "三途の川"。さすが六道の辻らしい!



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六道の辻(その4)。続いて、小野篁の "黄泉帰りの井戸"。



そう、「六道の辻」といえば小野篁ですね。鳥辺野ルートでも六道珍皇寺に祀られてたし、蓮台野ルートでも千本えんま堂に祀られてましたね。

実はここにも祀られていたのです。嵯峨釈迦堂というお寺が嵯峨野にあるのですが、その境内の薬師寺にあるらしい。早速行ってみましょう。


嵯峨釈迦堂

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六道の辻」から少し道をはずれて、嵯峨釈迦堂へやって来ました。小野篁の旧跡があるからです。



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嵯峨釈迦堂(その2)。小野篁のことしか知らずにやって来たのですが、ここは凄い!
立派な伽藍に圧倒されました。見応えたっぷりのお寺です。



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嵯峨釈迦堂(その3)。嵯峨釈迦堂には「豊臣秀頼首塚」がありました。何故でしょうか?



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嵯峨釈迦堂(その4)。そして本題の薬師寺へ。ここに小野篁像があるはずです。
(京都で三体あるうちの一つ。既に僕は二体を拝観済み!)

でも住職いわく「拝観寺ではないので一般公開してない」とのこと。残念です。
(公開日のみ拝めるという事らしい)



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嵯峨釈迦堂(その5)。でも社殿前に「生の六道〜小野篁旧跡」の石碑があったので、良しとしましょう。



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嵯峨釈迦堂(その6)。ついでに、お庭が美しかった!まさに浄土への道といった感じでした。

これで嵯峨釈迦堂を出ましょう。


元の化野ルートに戻る

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ところで嵯峨釈迦堂の門前も、茅葺き民家があったりして、とても良い感じでした。

では元の化野ルートに戻りましょう。



~ 化野への道を歩く(その2)へ続く ~